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SMARTな「目標設定」のコツと、モチベーションへの影響

定着

2020.06.06

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新年度に入り、すでに目標設定を行い日々の業務に邁進されている方も多いと思います。一方で、新型コロナウィルス感染拡大の影響でビジネス環境が大きく変わったことで目標設定の見直しを行う企業も増えてきています。

 

目標設定はビジネスパーソン1人1人のキャリアにとって重要な機能を果たします。しかし、目標設定には、良い目標もあれば、設定してもほとんど意味をなさない目標もあります。良い目標設定ができていないと、やるべき仕事の方向性を見失い、評価者との間で認識のズレが発生し、評価に納得できないといったことにも繋がってしまいます。

そこで、今回は、目標設定をする上で大切な視点や注意すべきポイントなどをお伝えします。

なぜ目標設定は必要なのか? ~目標設定の重要性~

会社で働いていると当たり前のように目標設定をして日々の業務を行いますが、そもそもなぜ私たちは目標を設定するのでしょうか。あらためて目標設定の重要性を考えてみましょう。

(1) 目標設定の重要性~個人の側面

目標設定の必要性・有用性については、心理学や認知科学の領域で盛んに研究されています。研究の中に、1960年代にアメリカの心理学者ロックが提唱した「目標設定理論(Goal Setting Theory)」というものがあります。目標設定理論では、困難かつ明確な目標を本人が受け入れていれば、パフォーマンスが大きく向上することが実証されています。

「何となく日々好きなこと、やりたいことをやっていたら、5年後に“なりたい自分”になれました」というキャリアを実現できるのは非常にレアケースです。無意識に行動していてもキャリアに変化は起きません。目標設定を行うことで脳が目標を意識し、行動が変化し、なりたい自分に近づくことができるのです。

(2) 目標設定の重要性~組織の側面

組織が存在し発展し続けるためには、共通の目的・理念が必要です。そこでは、メンバー一人ひとりが組織の共通の目的を実現するためのマイルイルストーンである目標を設定し行動することが求められます。そのため、多くの会社は、目標設定をマネジメントや評価制度に活用しています。目標という基準があるからこそ、上司はメンバーの業務状況を理解し、コミュニケーションができます。そして、目標という基準をもって評価をすることができるのです。

「SMART」な目標設定とは?

次に考えたいのは「良い目標設定」についてです。

例えば、ある社員Aさんが
「来期はもっと売上を伸ばしてチームに貢献する。そのためにクライアントとの信頼関係を構築し、一生懸命提案する」
という目標設定をしてきたとしたら、いかがでしょうか。

これも目標設定であることには違いありませんが、「もっと」とは「いくらの売上」を目指すのか、そのためのアクションについても「一生懸命」と抽象的すぎて、突っ込みどころがたくさんありますよね。このような目標設定では、上司(評価者)が困るのはもちろん、目標設定したメンバー自身も曖昧すぎて具体的なアクションを起こすことができず、ほとんど意味をなさない目標になってしまいます。

目標設定のやり方を変えるだけでメンバーのモチベーションが喚起され、上司とのコミュニケーションも円滑になります。「良い目標設定」をする上で大切な5つの要素がありますのでご紹介します。この目標設定方法は、5つの要素の頭文字をとって「SMARTゴール」と呼ばれています。

◆Specific(具体的であること)
目標を明確に、より具体的な表現や言葉にする。

◆Measurable(測定可能であること)
目標の達成度合いを測定できるものにし、定量化して表す。

◆Achievable(達成可能であること)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能なもの、現実に即したものにする。ただし、明らかに達成可能な簡単な目標を設定することはかえってモチベーションを低下させてしまう。

◆Related(経営目標に関連していること)
設定した目標が自身の職務と関連しているか、自分が属する組織の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する。

◆Time-bound(時間的制約・期限があること)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する。時間的制約があることで人は生産性を高め時間内に目標を達成しようとする。

目標設定を成功させるには、この「SMARTゴール」の要素を満たし、誰が見ても明確であることが重要です。

さきほどのAさんの目標設定例をSMARTに書き換えると、例えば以下のように表現できそうです。

「来期は前年比+10%の500万円まで売上に伸ばし、チーム売上の2割に貢献する。そのためにクライアント100社とコンタクト、そのうち40社と商談を行い、20社に契約いただく。1社あたり25万円の契約をとることで500万円の売上目標を達成する。達成までのマイルストーン、期限は7月までに100万、10月までに200万、12月までに350万円、3月までに500万円とする」

このような期限があり、具体的かつ測定可能な目標をAさんが設定できれば、目標達成に向けてアクションを起こすでしょう。そして、上司も目標に即してAさんとのコミュニケーションを行い、その結果をもとに適切な評価を行うことが可能となります。

適切な評価の仕方については、以前コラムでご紹介した「失敗しない評価面談にするために」を参考にしてください。

モチベーションを維持するために注意が必要なポイント

良い目標設定を行い、うまくいっていると思っていても、急にモチベーションが落ちてしまうこともあります。モチベーションを維持する上で注意が必要なポイントが2つあります。

具体的なタスクだけではなく、テーマで設定したほうが良いことがある

Aさんは500万円の売上をあげるという自身で設定した目標を達成したにも関わらず、何のためにやっているのかわからなくなり、モチベーションの低下、パフォーマンスが一気に下がることがあるかもしれません。

モチベーションを維持する上でヒントになる、イソップ寓話の「3人のレンガ職人」をご紹介します。

世界をまわっている旅人が3人のレンガ職人にあい、何をやっているのかを尋ねるとそれぞれが答えます。

1人目のレンガ職人「見てのとおり、レンガを積んでいる」
2人目のレンガ職人「大きな壁をつくっている。この仕事で家族を養っている」
3人目のレンガ職人「人々を祝福するための歴史に残る偉大な大聖堂をつくっている」

同じレンガを積んでいる職人の中で最もモチベーション高く仕事をし続けることができるのは誰でしょうか。明らかに3人目のレンガ職人でしょう。

この寓話から学ぶことができるのは、目標は具体的なタスク(To Do)だけではなく、大きなテーマ(To Be)で設定したほうがモチベーション高く仕事ができるということです。上司は、企業の理念・実現したい世界・ビジョンにメンバーが共感できているのか、目標設定と関連させることができているかを確認し、伝えていく必要があります。

無理難題な目標設定になっていないかどうかを確認する

会社が達成したい目標、部門が達成すべき目標、これをブレイクダウンして個人目標に落とし込んだ時に、明らかに達成できない目標になることが往々にしてあります。困難な目標のほうがモチベーションを高めることができますが、無理難題な目標の場合、モチベーションは高まりません。困難でありながらも、頑張れば達成可能な目標というバランスが、求められます。

また、困難な目標を1人で達成させるのではなく、上司を頼りやすくする、周りの仲間に相談できる環境づくりをすることもモチベーションを維持する上でとても大切です。

モチベーションを維持するために注意すべきこの2つのポイントに共通するのは、上司がメンバーに積極的に関わり、対話を重ねる中で認識をあわせていくというフォローアップの営みです。

SMARTな「目標設定」が仕事へのモチベーションを変える

目標設定は個人のキャリアにとって重要であると同時に、企業・組織の発展のためにも欠かすことができない営みです。一人ひとりが良い目標を設定し、モチベーション高く活動する時、人材として大きく成長していきます。それは自身の市場価値を高め、なりたい自分のキャリアを歩むことでもあります。それが結果として組織の強化、企業の発展につながっていくことが理想的な目標設定の姿です。

すでに目標設定を行い日々の業務に邁進されている方も、新型コロナウィルス感染拡大の影響で目標設定の見直しを行う方も、SMARTな「目標設定」で仕事へのモチベーションを高めていきましょう。

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