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HR Column

キャリアコンサルタントに関するコラムや最新情報など随時更新しています。

「HRラボ×多様な働き方 週2正社員制度について」

採用

2024.04.01

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週2正社員制度をご存じでしょうか?

HRラボでは、多様な働き方を推進するため、 自社でも短時間正社員制度を導入していますが、その一種です。今回は、一般社団法人中小企業事業推進機構 代表理事である平井良明さんをお招きし、週2正社員制度について、語っていただきました。

プログラム概要

日時 2024年3月27日(水) 13:00~14:30
開催形式 オンライン開催
ゲスト講師 平井 良明 /ソーシャルメディアアドバイザー ホームページシート作成アドバイザー 株式会社イーハイブ取締役統括責任者 一般社団法人 中小企業事業推進機構 代表理事
企画・運営 塚田 亜弓 /HRラボ株式会社 代表取締役

週2正社員制度という働き方をご存じですか。
正社員というと会社から正規雇用され「雇用期間の定めがなく、無期雇用契約で雇用されフルタイム勤務する人」1日8時間、週5日の勤務をイメージする方が多いのではないでしょうか。

しかし、今、この働き方が大きく変わろうとしています。

日々変化する社会の中で厚生労働省は「多様な正社員」制度の導入を促進。雇用形態は正社員のままで、職務や勤務地、労働時間などを労働者が選択でき、従来に比べて自由度の高い労働スタイルを導入する企業も増えつつあります。

HRラボでも多様な働き方を推進するため、自らも短時間正社員制度を積極的に導入しています。

フルタイム雇用の求人だけでは、多様な考え方に対応できなかったり、様々な技術を持った人材を複数人雇用できなかったり。多くの企業にとって働き方の変革期を迎える今、短時間正社員制度のひとつの形でもある「週2正社員」という働き方を、一般社団法人中小企業事業推進機構 代表理事である平井良明さんにお話ししていただきました。

企業は、週2正社員を導入することで、会社がどう変わるのか?
個人は、週2正社員を考えることで、生き方がどう変わるのか?

従来の考え方を覆す働き方について、導入事例なども交えて解説いただきました。

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短時間正社員のメリット

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ブラックな働き方の企業、していない残業代の請求や空出張代金の請求をする労働者。働き方改革が叫ばれてきた現在でも、経営者と従業員の健全な関係が成り立たない状況が数多く存在します。

経営者と従業員の健全な関係はどうしたら作れるかと考える中、私たちはフルタイムでなく短い時間で働く「週2正社員」という新しい働き方を提唱しています。

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人口減少の社会傾向で、人材不足という課題がある一方で、矛盾しているようですが、働く場所の不足の問題もあります。

働く場所がないと感じているのは、主に高齢の方、障がいがある方、子育て中の方です。このような環境の方が、朝から夕方までのフルタイム勤務をすることは難しく、正社員としての募集がフルタイムである場合、就職自体をあきらめるほかありません。

人手不足なのに、働く場所がない、この矛盾が生じるのはフルタイムにこだわるからではないでしょうか。

フルタイム勤務は無理な状況の方に週1、2日と可能な日数で働いてもらう、また「1日はA社で働きたい、もう1日はB社で働きたい」というパラレルな働き方も許容するなど、フルタイム勤務の枠を外した働き方を考えると、そこにはたくさんのメリットが見えてきます。

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【短時間正社員のメリット】

・介護中、子育て中の人が即戦力となる
・複数の会社で働くことで個人の活躍の場が広がる
・時間的にも資金的にも人材教育はできない中小企業にとって、複数の企業で人を育てていくことが可能になる
・人が複数の会社で働くことで、A社とB社のコラボすることができ、サービスをつなげ新しいサービスが生まれる。
・地域が活性化し、新しい働き方を求めてUターンや移住者が増加する

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しかし実際にこのようなフリーランス的な働き方ができるかと会社員の方に聞いてみると「本当に複数の会社に受け入れてもらえるのかわからない」「雇用保険などにはいれるのか不安」など安心感がないという声が上がってきました。

確かにその通りです。ならば、フリーランスの働き方に正社員という安定感と安心感がプラスされればいいのでは? 週2のパートさんを週2正社員にすることでどのようなメリットがあるか考えてみます。

週2正社員のメリットと活用事例

【週2正社員のメリット】

〈従業員側〉
・健康保険、厚生年金が適用されて安心を得られる(週2ということは16時間勤務。現在20時間を超えると雇用保険に入れるが今後は10時間で雇用保険に入れるようになる。)
・正社員での働き方は副業や企業のための安定的な軸になる。(いきなり独立しますというよりも、週2は働いて10万円はもらえる。残りの5日をフリーで動いて、独立の準備やチャレンジをすることができる)

〈企業側〉
・フルタイムで働くことが難しい人材(介護中、子育て中、障害があるという方)の活用が可能になる。
・専門家の人材を活用できる。(地方の中小企業が地方で都市部と同じ価格を支払って専門家を採用することは難しい。しかし、複数の企業が合同で専門家を採用することで専門性の価値にお金を払える)

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週2正社員制度の導入時に最も大切なのは、既存の就業規定や他の社員との給与面や勤務時間な仕事内容などの調整・整合性をとることです。

また週2正社員制度が採用されても、働く側のやりたいことが会社の器を突破してしまうと、独立、転職してしまう可能性があります。それでは会社のためになりません。最終的には会社が大きくならないといけない。それを可能にするためには、キャリア開発(によって個人の成長を促し)と組織開発(組織の成長を促す)を同時に進めていくための「人事制度」が必要になります。キャリアコンサルタントの力が必要不可欠なのです。

今後の展望について

今の子供たちが大人になるときには、そういえば昔は9時―17時でフルタイムで働いていたんだよねという時代になるのではないでしょうか。そのときには週2正社員という言葉もなくなっているかもしれません。

今後計画しているのは、地域での取り組みです。今後、週2正社員が増えてきたら、地域に点在している週2正社員が情報交換したり、同じ場所で働けたりできるスペースが必要です。そこでは現在経産省が推奨しているリスキリングもあると、正社員のレベルがあがるなあ、なんて構想しています。

構想している地域の施設にはキャリアをサポートする人が必要です。キャリコンサロンと連携し、地域でいろいろな働き方を考えていける人をつくり、基地局の仕組みを全国に広めていきたいです。

個人も企業も地域も幸せになる働き方ができれば、仕事は自分が食いつないでいくためだけでなく、誰かのためにするものという意識になっていくはずです。

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