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【キャリコンインタビュー】平野裕子さん

キャリコンインタビュー

2020.08.11

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「学ぶ熱意」を伝えて20数年のベテラン研修講師キャリコン

 

社会保険労務士とキャリアコンサルタントの資格を持つ研修講師として、企業や働く人と向き合う平野裕子さん。一貫して人に伝えるキャリアを歩んできた平野さんは「熱意が伝わる研修」を心がけているとのこと。今回はそんな平野さんがキャリアコンサルタントの資格を取得されたきっかけや講師としてのご経験とともに、働く上で大切にされてきたことについてお話を伺いました。

キャリアコンサルタントを目指したきっかけ

レールのない社会人のキャリアを支援するため研修講師に転身。
研修で役立つ知識を求めてキャリアコンサルタントの資格を取得。

-キャリアコンサルタントを目指されたきっかけについて教えてください。

私がキャリアコンサルタントの資格を取得したのは、今から5年ほど前のこと。企業研修の講師として、役立つ知識を得たいと思ったのがきっかけです。研修講師の仕事を選んだのも、前職で経験した塾の教室長の仕事の中で、学生というレールを走る電車に乗って勉強やスポーツを通じて成長を重ねてきた子供たちの中にも、卒業して社会人への扉が開いたとたん、どこに降りていいか行く先を見失って途方に暮れてしまう人が多くいることに課題意識を持っていたからだったんです。

キャリアの知識を得ることで、キャリアに迷う人たちに社会人として自分に向き合う機会を提供し、人生の目標を見つけるお手伝いができたらという思いもありました。

偶然に導かれたフリーランスの道。塾での経験と手厚い無茶振りの実践で築いたキャリア。

-現在フリーランスで活動されていると伺ったのですが、なぜフリーの道を選ばれたのですか?

塾の仕事を始めて10数年が経ち、35歳になったことを契機に一度は研修会社に転職しました。ですが、入って三日目にたまたま同じ講座を受け持った先輩に「すぐに辞めなさい!」と言われたんです。初対面の人にすごい剣幕で言われたので「じゃあ辞めます」と言って退職しました。実は会社の経営が危なかったそうで・・・。そこから現在までフリーランスで働いています※。すべてが偶然に導かれた決断だったのですが、責任を感じたのか会社を辞めた後も、その先輩が仕事や人を紹介してくださったおかげで、不自由なくやってくることができました。

-それはすごいお話しですね。新しい仕事を、しかもフリーで始められるのは大変なことだったと思いますが、企業研修の経験やスキルはどのように積んでこられたのですか?

研修の現場で必要な知識の8割は塾の教室長の仕事の中で身に着けたものです。社長が「教育に携わる者は自分が成長していなければならない」というポリシーをお持ちの方で、月に三冊ほど課題図書がプレゼントされる習慣があったので、社会人としての基礎になる考え方やモチベーションの作り方は、その書籍から学びました。私自身が電車の降り方に困ったタイプで、仕事を覚えるのにも本当に苦労したのですが、先輩たちが根気よく教え続けてくれたことと、15年の経験の中でクレーム対応の担当になって四苦八苦したり、塾の入会の営業の勉強をしたりと嫌々ながらも必死に取り組んだことの全てが今の私の糧になっています。

研修講師になってからも、研修会社の退社後からお世話になっている先輩を筆頭に、先輩方からの「これ、できるよね」という無茶ぶりと、研修の準備や受講生の反応から新しい知識を学ぶヒントを得ながらキャリアを築いてきました。

-キャリアコンサルタントの勉強はどんなところで役に立ちましたか?

キャリアの理論に基づいた各種ツールの使い方が身についたこともありますが、どのように伝えれば研修の時間の中で受講生が自身を見つめ直すことができるのか、その効果的な手法をよりシステマチックにプログラムに組み込めるようになりました。実際に「ジョハリの窓」を研修に取り入れたことがあったのですが、自分のイメージを変えられる有名な自己理解のツールも、なんとなくやっていては、なんとなく終わってしまうので、どうすれば効果を実感できるのか、あれこれ悩みながらプログラムを構築しました。伝える工夫を考えるフローそのものにもワクワクしましたが、研修当日、受講生から感嘆の声が上がった時には、思わず心の中でガッツポーズしてしまいました(笑)。

仕事で大切にしていること

-キャリアコンサルタントの勉強を経て研修講師の楽しみを広げられたんですね。そんな平野さんはどんな事を大切にされて働いてこられたのでしょうか?

私個人としては、「人は必要な時に必要な人が周りにいてくれる」ことが信念の一つなので、その時々で私のために真剣に対応してくれる人への感謝とその人とのご縁を何より大事にしています。

また研修講師としては「熱意が伝わる研修をする」ことを心がけています。どんな内容の研修でも、講師が200%の熱意をもって伝えなければ、受講生の心に100%響かないとも思いますし、行動を変えることも叶いません。だから研修では、とにかく熱く伝えます。おかげで講師の最大の悲しみである研修中に寝られることもありません。

支援のベースは豊富な実践とひたすら取り組んだ学びで構築。
「ワクワクしたらすぐ動く」土台を作ってくれた「陽転思考」との出会い。

-確かに熱意にあふれた講師がいたら研修への打ち込み方も変わりますよね。平野さんが「熱く伝える」のは例えばどんなお話ですか?

必ず伝えるのは、目の前で起こることはただの事象でしかないので、その事象をどうとらえ、意味づけをするかで人生は変わるということ。「七つの習慣」の言葉ですね。勿論全てをポジティブにとらえられる人はそうはいませんし、時にはネガティブな考えに囚われてしまうこともあると思います。でもそんな時には、まず自分の中で一番ポジティブな人を思い浮かべてみることを勧めます。「あの人だったらこの出来事をどうとらえるだろう?」そんな風に考えてみると同じ物事でも違う視点で見つめ直すこともできますし、そんな人が一人でもいると思うだけでも支えになるのではないでしょうか。

この見方を変える(リフレーミングする)ことは本当に大きな影響を与えるもので、例えば会社にあまりいい印象をもっていない人たちが多い研修の際には、「皆さんの会社について考えてみましょう」と前置きして、会社の特徴を挙げていってもらうこともあります。その後で会社のいいところを取り上げて「意外といい会社ですね」と伝えると、会社への見方が変わって「仕事で新しいチャレンジをしてみたい」とか「役職者になれるように頑張ってみます」とポジティブな反応が返ってくることもあります。

-その反応を見るとどんな気持ちになるのですか?

「しめた!」の一言ですね(笑)。研修で遠方に行くことも多いのですが、そんな風に研修がうまくいった帰りは新幹線でお酒を飲んでおつまみを食べて爆睡するのが自分への最高のご褒美になっています。

研修の場では受講生の反応は十人十色ですし、自分の引き出しをすべて開けて、質問に答えなければいけないときもあります。それには集中力も瞬間的な頭の回転も必要なので、研修の際はお昼も半分ぐらいで手を止めるようにしているんです。眠気に襲われて集中力が途切れることなどないように。研修先で頂くお弁当も残すので心苦しくも思うのですが、私も年齢を重ねてパフォーマンスが落ちてきていることは自覚しているので、少しでもパフォーマンスを上げることに意識を向けています。その分終わった後のご褒美をより堪能できるので、悪いことばかりでもないですよ。

-最高の研修のために最高のコンディションを維持する工夫をされているんですね。平野さんが本気で立ち向かってきた研修の仕事の中で特に印象に残っている回はあったりするのでしょうか。

研修の場に斜に構えた人がいることってありますよね。そんな人との対話から会社の大変革につながったことがありました。管理職の方を対象に部下との向き合い方やメンタルコントロールの方法を伝える研修だったのですが、ふと「この研修を受けても、結局は会社の方針次第なんだよ」と声が上がったんです。

まさに暗雲垂れ込めるスタートで、そこからは研修そっちのけで一対多のカウンセリングの始まりです。ひとしきりお話を伺った後で、「言いたいことはわかりました。一度持ち帰ってちゃんと提案するので、まずは皆さんと同じ思いを部下の方々にさせないために、ちょっと踏み台になって頑張ってください」と伝えて研修に戻り、ひとまずその場は収めました。

伺った話を基にした会社への提案では、「まずは管理職の方と会社との信頼関係の構築が必要である」ことをはっきりとお伝えしました。企業の方も課題と向き合う覚悟をお持ちだったんですね。その提案を受けて、「私たちも決めたら揺るがないようにする」との決意の言葉とともに、会社を変えるために各階層で研修を行ってほしいとお話をいただきました。それからは年に一度研修に伺っています。会社の意識改革をするわけですから長い時間は必要ですが、実現まで精一杯フォローを続けたいと思っています。

「キャリコンサロン」との関わり

サロン参加のきっかけも研修での出会いから。 キャリコンの待遇改善へサロンの活動にも意欲。

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-平野さんと管理職の方の熱意が起こした改革ですね。ここまで平野さんのお仕事について伺ってきましたが、そんな熱意にあふれる平野さんはどんなきっかけでキャリコンサロンに入ったのですか?

サロンの運営事務局をされている杉島さんと知り合ったことがきっかけです。サロンの立ち上げ以前に杉島さんの会社で営業の研修の講師をさせていただいたことがあって、人事担当である杉島さんと打合せや研修で関わらせていただく中で、キャリコンをとったことを話したところ、杉島さんもほぼ同時期に資格を取られていて、杉島さんのご紹介でキャリコンサロンのことを知りました。

-今キャリコンサロンでどんな思いを持って活動されていますか?

代表の塚田さんともよくお話させていただくんですが、やっぱりキャリコンの報酬の低さはキャリコンが働く上でのネックになっていると思うんです。キャリアカウンセリングは一人ひとりに向き合って、クライアントが求めるゴールまで伴走する、スキルも労力も必要な仕事です。しかし、人にかかわる仕事は価値の証明が難しく、有資格者の増加に伴って、経験を積むために低い金額で仕事を請け負う方が増えていることも、報酬の下落に拍車をかけている。だからサロンの活動を通じて、キャリコンの存在や能力を知っていただく機会を増やしていって、必要性を浸透させていくことで、仕事の創出や報酬の改善に少しでもつなげていけたらと思っています。

今後の展望について

キャリコンを持つ研修講師育成と経営者支援が目標。
「伝える」存在に必要なのは常に新鮮な知識を取り入れる努力。

-キャリコンの環境を変えることにも意欲を向けていらっしゃるんですね。そんな平野さんは今後どのように活動されていこうと思っているのでしょうか。

まずキャリコンサロンについては、現在参加させて頂いている「研修部」の活動に力を注いでいきたいと思っています。私は色々な人とのご縁もあって研修講師としてやってこれていますが、研修講師は初めの一回がないと次につながらないし、その初めの一回で失敗してしまうと、二度と仕事が来ない厳しい仕事です。だからこの研修部の活動を通じて、そんな世界に一歩を踏み出そうとされる方々のサポートをしたいと思っています。

具体的には、模擬研修のようなことをやってアドバイスしあったりとか、一緒にコンテンツを作る機会なんかもできたらいいですね。私は今、研修の業務委託が仕事の8割ぐらいになっていますが、営業活動は継続していかないといけないので、そうして開拓した仕事を研修部でスキルを身に着けた方々にお願いしたり、一緒に登壇する機会も持てるといいと思います。

また私個人の活動としては、経営者の支援に乗り出す目標も持っています。一見順風満帆な経営者も詳しくお話を聞いていくと、自身の老後や事業承継、あとは人の採用にと結構色々なことに悩んでいるんですよね。特に中小企業の経営者の方はこの傾向が強いです。私はそんな経営者の方が豊かに楽しく賢く生きていくためにも、まずは知識を得ることが必要だと考えています。

新入社員に対しても就業規則や労働基準法の基本的なことは、最低限、無知ゆえに泣き寝入りすることがないよう、しっかり勉強して下さいとよく言っているんですが、経営者の方々にも労基法の知識は欠かせません。また事業承継にかかわる税制も、改定の中で新しい仕組みが続々とできているので、その知識のアップデートも必要になってきます。あとは生活面ですね。事業に没頭するあまり、経営者ご自身の老後の備えがおろそかになっているケースがままありますし、個人事業主の方は国民年金だけしか加入できず「老後どうしよう」という声も聞いたりします。でも、それもこれも知識を持ってさえいれば事前に準備することはいくらでもできるんです。支援に向けて社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格も取得したので、その知識を生かして事業がうまく回っているうちから、どのように資産を積み立てていくかや、老後の生活の組み立て方などを、に触れ繰り返し伝えていきたいです。

-平野さんのお話から学ぶことの大切さと熱意もひしひしと感じました。

知識というのはどんなものでも「誰かに伝えた瞬間に古いものになってしまう」という危機感は常に持つようにしています。インプットには本当に膨大な時間と労力がかかりますが、アウトプットは一瞬です。だからこそ常に人に必要とされる存在であり続けるためには、アウトプットする何倍も新しい知識を詰め込んでいないといけないと思うんですよ。

ひとまず仕事の一つの区切りと考えている55歳になるまでは、アウトプットをしながらも新しい知識を貪欲に学んでいきたいですね。

-キャリコンサロンに興味を持たれている方や、キャリアコンサルタントを目指されている方にメッセージをお願いします。

キャリアコンサルタントは誰かの人生の貴重な一幕に関わり、その人生に寄り添ってサポートできる本当に素敵な仕事です。人生に関わるのですからその責任は重いものがありますが、その分やりがいも非常に大きいので、少しでも人の人生にかかわる仕事に興味があれば、ぜひ勇気を出して飛び込んでみてほしいと思います。

キャリコンサロンについては、「キャリア」という一つのキーワードでつながった、面白い人が集まっているコミュニティだと思っています。一人で机や本にかじりついて勉強するだけじゃなく、様々な背景を持つメンバーと関わって楽しみながら自分自身のキャリアの選択肢を見つけられるいい環境だとも思うので、ぜひとも参画して、人の人生のサポートと自分の人生も楽しむ一挙両得の機会を手に入れてください。意欲にあふれたメンバーが増えることを楽しみにしています。

-平野さんありがとうございました。

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