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HR Column

キャリアコンサルタントに関するコラムや最新情報など随時更新しています。

塚田亜弓のキャリコン徒然 vol.3 ~「働かないおじさん」は働きたい~

キャリコンインタビュー

2021.10.06

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こんにちはHRラボ株式会社代表の塚田亜弓です。

今回は近年、社会問題となっている「働かないおじさん」について、キャリアコンサルタントの視点から考えてみました。

※2021年10月4日登壇イベント『ミドルシニア社員の活性化「働かないおじさん問題」への対応法とは』にてお話した内容を中心にまとめています。

「働かないおじさん」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

終身雇用、年功序列型賃金、新卒一括採用といった「日本型雇用」のもとで働き続けてきた中高年男性(40~54歳のミドル層、55~65歳のシニア層含む)は、合計3646万7100人、全労働人口の57%を占めています。※1
「働かないおじさん」とは日本型雇用のもと長年勤務し、給与やランクが高いにもかかわらず、それに見合った働きをしない中高年男性のことを指した言葉です。

ミドルシニアと呼ばれる中高年の方は、日本企業を支えてきた世代。そんな方々が、なぜ「働かないおじさん」と呼ばれてしまうのか、そこには日本型雇用の在り方の弊害があります。

ミドルシニアは新卒入社後、「よーいドン」と一斉に管理職に向けた出世レースに突入。過酷なレースを繰り広げる中、一定の年齢になっても管理職に就いていない人は、会社の都合で様々な職場をたらいまわしにされることとなります。その結果、軸となる専門性を身に付けることができず、頑張って働くものの周囲からは賃金に見合った仕事をしていない人と烙印を押される始末。

働くモチベーションが下がるのを止めることができず、しかしながら年功序列、終身雇用のもとで、年収は安定、クビにもならないため、本人にも向上心がなくなり、やがて「働かないおじさん」となってしまうのです。というのが、世間一般で言われている「働かないおじさん問題」です。

しかしながら、実際に現場で毎週ミドルシニア層とのキャリア面談を行っていて見える景色は、いわゆる「サボリーマン」「窓際族」のような怠け心で働かないのではなく、働こうと思って実際働いてはいるものの、会社が期待する役割と成果・行動にギャップがあり、「うまく働けていない」という現状です。
「働かないおじさん」問題は、個人の向上心やモチベーションの問題ではなく、人材を適材適所で活かしきれていない企業側の問題でもあるのです。

ミドルシニア層のキャリア活性化をサポートし企業課題を解決する

HRラボでは、働かないおじさんと呼ばれるミドルシニア層の活性化を実現すべく『HRラボ・ミドルシニアサービス』に力を入れています。

多くの企業が抱えるミドルシニア層における課題、共通するのは次の3つです。

①本人の能力・特性と企業が求める力とのギャップがある
②リーダーの組織マネジメントへの苦手意識を持っている、実践の難しさがある
③ミドルシニア層のへの支援施策が不足している

HRラボではこうした課題に対して、

◆ミドルシニアの意識改革に― ミドルシニアキャリア診断や診断を元にしたキャリア面談
◆モチベートできる組織創りに― リーダー育成研修
◆人事の力量アップに― 「浅井塾」「ミドルシニア施策コンサル」
※「浅井塾」ではNTTコミュニケーションズ株式会社でキャリアコンサルティング・ディレクターとして辣腕を振るわれる浅井公一氏、『ビジトレ』著者である田中研之輔氏を講師にお迎えしています。

など、キャリアコンサルタント会社として培った知見を元にした研修や面談で、また人事力を高める実践技法をお伝えして、ミドルシニア課題の解決に尽力しています。

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ミドルシニアへのキャリアコンサルタントの必要性と役割

課長になり部長になって……と、出世を追いかけるのは「上り坂キャリア」です。20代30代のキャリア面談ではこうした「上り坂キャリア」についてのご相談が大半を占めます。
対してミドルシニア層のキャリア面談では加齢に伴うこれからの相談となるため、ミドルシニア層へのキャリア支援には「下り坂キャリア」のアドバイスができる力が必要だと考えます。企業人として目指すものという視点を超えて、定年後に組織から離れた後も続く人生において自分の幸せは何か、そのひと個人の視点からキャリアアドバイスが必要な世代なのです。

しかしながら、企業内には「個」の視点でアドバイスできるスキルを持ったマネージャーがほとんどいないというのが現状だと感じます。

上司や人事担当者は、組織に帰属するものとしての「あるべき論」を唱える、アドバイスでなく指導になるなど、これまで自分たちが指導されてきたスキルしか持ち合わせていないことが大きな原因です。

加齢と共にこれからどうしたらいいか悩むミドルシニアに対しては、ビジネスの成功モデルと人間との幸福モデルという2つの視点を兼ね備えたアドバイスが必要なのです。
労働人口の約60%がミドルシニアという時代に、「下り坂キャリア」の視点を持ち、ミドルシニア層にマッチしたアドバイスができるキャリアコンサルタントが必要不可欠だと考えています。

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『浅井塾Lesson3-7月15日脱落者を出さない目標設定』より

人としての幸せ探しが、ミドルシニア課題の突破口となる

ミドルシニアのキャリア形成をお手伝いしていてわかるのは、ミドルシニアの方々はモチベーションが低い人などではないということです。
モチベーションが低くて働かないのではなく、ご自身の活かし方が分からず、企業もそのような支援がないため「活躍の仕方がわからない」のです。

HRラボでは、ミドルシニアの方と1on1の面談で向き合い、マインドセットを行います。
その際「ビジネスでの成功」という視点だけではなく、「人間としてどう幸せに生きるか」という幸福モデルを採用しアプローチしていきます。

「地位財」と「非地位財」、2つの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「地位財」はカネ・モノ・社会的地位など、他者と比較して得られる喜び、「非地位財」は安全な環境、健康な身体、健やかな精神など他者とは関係なく得られる喜びを指しています。

実は私たちの幸せが持続するのは「地位財」よりも「非地位財」があるときということがわかっています。人間としての幸せ(非地位財)を掘り起こすことは、モチベーションを根源から上げることになるのです。

「非地位財」を掘り起こしていくため、面談では次の3つの要因について対話していきます。

どのような環境にいるときに安心安全を感じるか……社会的要因
身体どのような健康状態であることが望ましいか……身体的要因
幸せに感じるのはどのような精神状態のときか……精神的要因

特に精神的要因である「幸せの4つの因子」(参考:幸せのメカニズム 前野隆司)

①自己実現と成長(強み、主体性)
②つながりと感謝(思いやり、利他精神)
③前向きと楽観(チャレンジ精神)
④独立と自分らしさ(自分軸)

を、ご自身が自覚したときにマインドセットが行われるため、丁寧に掘り起こしていくよう心掛けています。
実際、幸福モデルに基づくキャリア面談でマインドセットが行われると

・将来を見据え新たなスキルの修得に取り組む
・既存のスキルのブラッシュアップを行う
・組織内コミュニケーションを活性化させる
・健康管理を意識的に行う

など「働かないおじさん」と思われていた方々に次々と行動変容が起こることがわかってきました。

企業にとって悩ましいミドルシニア問題、解決に向けて大きく前進させるには、企業内部の方々と第三者視点でアドバイスができる外部キャリアコンサルタントの連携が必要だと考えています。HRラボでは個人と企業双方の視座を持ち、今後ますますキャリコンサルタントが必要とされるミドルシニアの課題に取り組んでいきます。