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HR Column

キャリアコンサルタントに関するコラムや最新情報など随時更新しています。

塚田亜弓のキャリコン徒然 vol.1

キャリコンインタビュー

2021.08.14

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こんにちはHRラボ株式会社代表の塚田亜弓です。

HRラボでは、企業内キャリア相談制度(セルフ・キャリアドック)の導入サポート、研修・セミナー登壇、個別カウンセリング、人事関連コラムの執筆、採用業務サポートなどを主な事業としています。これまで1都1道2府36県、約1,000社以上の企業にてセルフ・キャリアドック制度の導入に関わらせていただきました。

全国のキャリアコンサルタントが繋がるコミュニティ「キャリコンサロン」も主宰しております。

 

2021年8月10日に第17回キャリコンサルタント試験の結果が発表され、キャリアコンサルタント登録者数は6万人を超えました。資格は取得してからがスタート。多く聞こえてくるのは「資格をとったものの、仕事がない」「キャリアコンサルタントは稼げない」「国家資格なのに、その後の職が保証されないの⁈」という声です。

 

第1回目となる「キャリコン徒然」では、私自身がキャリアコンサルタントとしてどのように仕事を広げているか、キャリアコンサルタントは実は稼げる仕事であると思っていることなどお伝えしていきたいと思います。

「キャリアコンサルタントは稼げない」は思い込み

キャリコンサルタントの資格をとっても仕事が広がらない、というのには2つの理由があると思います。

①キャリアコンサルタントには独占業務がない

専門性のある仕事として認められた国家資格ではありますが、医師や弁護士のように独占業務がない、名称独占資格です。
資格をとったからといって、この仕事が専門領域として用意されていますよというものではないので、仕事する場所や相手を見つけにくいという感覚はあるかもしれません。
「キャリアコンサルタントです」と名乗らなくてもキャリアに関するカウンセリングをしている方もいますし、上手な方もいっぱいいらっしゃる現状です。

②キャリアコンサルタント=面談する人という固定概念

「資格をとったもののどんな仕事をどんな場所でしたらいいのかわからない」「とりあえず面談を始めます」という声を多くの方からいただきます。
こうした声が多いのは、キャリアコンサルタントの仕事=面談のイメージが強く、面談以外の選択肢を描けないことが原因ではないでしょうか。

確かに面談のお仕事は重要な業務ですが、キャリアコンサルタントはキャリア支援をするプロ。支援のひとつとして面談があるだけなのです。
「独占業務がないから、面談するしかない」と思うと、仕事を広げることは難しいですよね。

実はこれ、全く逆だと私は考えています。「独占業務がないなら、つくればいい」そんな発想でお仕事させていただいています。

たとえば私の場合、企業で働く従業員向けカウンセリングを中心に、採用、教育研修、労務、キャリアに関するコラム執筆など、活動内容は多岐に渡ります。「企業におけるキャリア支援」「キャリアに関する仕組みづくり」という観点で考えると、仕事は無限につくりだせるのです。

キャリアコンサルタント=面談という枠を外すことが大切だと思います。

選択肢を広げる3つの視点、5つの領域

仕事の選択肢を広げるためのポイントは、自分のことを3つの視点から分析して知っておくこと。そして自分はどの領域でどんな人を対象にして仕事をしていきたいのか、領域を設定することです。

3つの視点

①強み・能力(CAN)は何か?
②必要とされること・求められること(MUST)は何か?
③興味・関心・こだわり・価値観(WILL)は何か?

キャリア支援5つの領域

①企業向けの仕事…採用、社員教育・研修、福利厚生制度
②子ども・学校教育…小中学校、高専、短大、大学など教育・訓練機関
③行政(公共機関)…ハローワーク、ジョブカフェ、生活保護
④人材業界の仕事…人材派遣、人材紹介、再就職支援
⑤個人向けの仕事…個人カウンセリング

3つの視点を書き出してみて、自分がどの領域の仕事がしたいか、向いているのか5つの領域から考えてみてください。

もちろんこの5つ以外にも領域はありますし、1つに絞れず重なることもあるかもしれませんが、キャリアコンサルタントとしてどこに向かうのか、自分は誰をどう幸せにしたいのかがはっきりして、自分軸を作るヒントになるのではないかと思います。

はじめの一歩の踏み出し方

資格はとったものの、最初の一歩はどこで踏み出したらいいのかわかりませんよね。

とにかく知ってもらわなければ、仕事にならないので、人との繋がりは作っておく必要があります。人脈も資金もない私が悩んで辿り着いた答えは、異業種との交流はもちろん、キャリアコンサルタント同士のつながりを積極的に持ち、情報発信、情報交換をしていくことです。

私はキャリアコンサルタントになるとすぐに、当時所属していたビジネス交流会、商工会議所の集まりで「こんな資格とりました、こんなことでお役に立てます」ということをものすごくお伝えしていました。そうしていくうちに、資格取り立ての私にお仕事を紹介してくださる方が現れたのです。

自分のホームページやSNSアカウントを開設することも早めにしておくのがおすすめです。私はちょっと背伸びをして、企業対応できるホームページをプロにお願いして早々につくりました。

同時に、キャリアコンサルタント同士の繋がりをつくっておくことも大切です。キャリアコンサルタント同士で仕事を回すことや、連携して同じ現場に入ることもよくあるため、仲間の存在は必要不可欠。ひとりでは解決できない課題も、横の繋がりを持つことで解決することも多々あります。仲間と繋がって仕事をしていきたいという思いから、「事例共有会をしよう」と呼びかけて月1回ほど集まっていた延長に今のキャリコンサロンがあります。

情報発信する際のポイントは、目の前にいる人を即お客様にしようという気迫で伝えないこと。「こういうことができます」とだけ伝え、伝えた相手の周りにお客さんがいると信じて発信していきましょう。目の前の人のその先に、お客様が待っていてくれるはずです。

つづき
「『キャリアコンサルタント』は稼げない」の後編です。プロとして仕事をスタートさせるときの自分の価値の付け方、稼げるキャリアコンサルタントに必要不可欠なたったひとつの視点についてお話させていただきたいと思います。