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2021.07.20
「浅井塾」参加者には毎月のレッスンだけではなく、オンラインコミュニティにて、イベントや学び合いの場の提供、そして定期的な人事コラム配信などを予定しております。今月のコラムを公開いたします!
社外のキャリコンは相談者“個人”のキャリア開発に有益になることだけを考え(もちろん、依頼された会社への配慮をすることはありますが)面談を行っていく一方で、企業内キャリコンは個人のためだけを考え面談をすることも「状況によってはある」というだけで、基本的には会社の人事戦略のことなども総合的に考えながら面談をしていくのが大きな違いです。
「歳もとったし、がんばっても評価してもらえないので仕事はほどほどにします。チームメンバーへの協力は余裕があるとき以外は関わらないことにしたいんですけど、それではダメでしょうかねぇ?」なんていう類の相談は、ベテラン社員との面談では全然珍しいことではありませんが、私がもし、外部から依頼を受け、他企業の社員からこういった相談を受けたなら、「それもあなたの人生。考え抜いた末の結論であるなら、それもありかもしれませんね」というアドバイスをきっとしてしまうんじゃないかと思います。
しかし、企業内キャリコンはその会社の一員。であるなら、高い給料を払っているベテランにその働き方を許してしまう方向へ持って行くことは好ましい対応だと考えないでしょう。たとえ会社と個人との間における中立の立場であったとしても、「チームへの協力は積極的に行った方が周囲からも感謝され、気持ちよく残りの会社生活を送れるのではないでしょうか」などという言葉のひとつやふたつはかけるでしょう。
社外のキャリコンの場合、相談者が相談に来た目的が達成できれば、二度と相談に来ることはないでしょうし、満足いくコンサルをしてもらえなかったと感じたならば、次は別のキャリコンに相談するはずです。つまり、その相談者と再度顔を合わせる確率は極めて少ないと考えられます。
ところが、企業内キャリコンの場合は、面談結果がどうであれ、社内を歩いていれば普通に顔を合わせることがあるはずなので、面談がうまくいかなかったときは非常に気まずいことにもなるでしょうし、場合によっては相談者の上司から「余計なことを言ってくれたな!」というクレームが入ったりすることだって考えられます。そういうことを想定すると、企業内キャリコンは、自分がアドバイスしたことに対する責任と不安を感じながら会社に行かなければならない宿命を背負っています。
企業内キャリコンは社内の人事賃金制度を人事担当者とほぼ同等レベルに熟知しています。これだけでも社外のキャリコンとの違いは言うまでもありませんが、同じ社内の人間同士ですので、福利厚生や風土、制度と運用、会社の生い立ちや暗黙のルールまで、あらゆる環境や条件も知っています。
相談者が「○○部に異動したい」と言ったとき、「あの部署は華やかに見えるけど、それだけに残業がかなり多いという話を聞くよ」とか「あの部門長の下にいる人の中には、パワハラ寸前の対応に悩んでいる人もいるみたいだよ。それでもいい?」というようなアドバイスは社外のキャリコンにはできないのです。
「退職金がこれだけ出るから安心なんです」というお気楽な発言に対し、「うちの会社の歴史からすると、だいたい10年に1回ぐらいの頻度で賃金制度が大きく見直されてきているよね。そうすると、あなたが定年になる頃には、退職金も○割ぐらいは減っていると考えておくべきじゃないかな」という体験に基づく具体的数字まで入れてのアドバイスも社外のキャリコンにはできないのです。
一方で、社外のキャリコンは、いろいろな会社の情報を持っていたり、転職動向のアドバイス、或いは、「このようなポータブルスキルを持っていた人が今、別の会社のこういう部署で大活躍しているよ」といったようなアドバイスができたりもします。これは社外のキャリコンの強み。企業内キャリコンにはできないことです。
こうして3つの違いを考えると、一見、企業内キャリコンの方が大変そうに聞こえるかもしれません。ところがそうではありません。実は私も、
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