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HR Column

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「パラレルワークで実現する自分らしいキャリア」

キャリコンインタビュー

2024.02.09

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2月9日㈮ HRラボマネージャーの田中千尋さんによる『パラレルワークで実現する自分らしいキャリア』と題したセミナーが開催されました。

会社員でもあり、NPO法人の事務局長もされ、キャリアコンサルタントとして個人事業主でもあり、さらに末っ子は1歳の3児のママでもある田中さん。

現在HRラボの社員としての田中さんの働き方は、フルリモート、フルフレックス制。HRラボの中枢の業務を担っています。

二人目お子さんが生まれた後の再就職活動時、どこからも働く機会を得られない絶望を味わった時点で描いた自分らしい働き方を今、実現されている田中さんにお話を伺いました。

キャリアって何?

キャリアの語源は「馬車の轍(わだち)」。轍とは「車が通り過ぎたあとに残る車輪の跡」のことです。職業のことだけを指してキャリアと考えがちですが、自分が体験してきたことすべてがキャリアだととらえている田中さん。ワークとライフともにキャリアであるはずだけど、今の社会の中ではライフでの経験はキャリアとして認識されない、子育てなどライフを重視するとワークができなくなる。そんなジレンマを抱えながらも諦めずに、自分らしいキャリア実現までに要した時間は7年。

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4つのキャリアターニングポイント

田中さんが大学卒業後から現在の自分らしいキャリア実現までには、4つのターニングポイントがありました。

◆第1のターニングポイント

少数精鋭のNPOで就職。
「みんなが主体的に働き、際立っている人がたくさんいたことは働く姿勢のローモデルにもなったけれど、とにかく必死な毎日に疲弊してしまいました」という田中さん。自分のできなさに絶望する時期でもあり、最後の1年は上司に呼ばれて前に立つだけで涙が出るという精神状態に。

◆第2のターニングポイント

子どもを授かる。
仕事大好き人間の田中さん。第一子の誕生で、最優先が子どもとなり、激務であったNPO法人を退職。子育ての喜びと同時に、このままでは働く自分がいなくなってしまう焦り、収入を得られない不安に駆られる。

「ランチ1,500円だけど、どうしよう」
経済的自立も大切だった田中さんにとってはランチも自由にいけないのは窮屈な時期でした。派遣などで働いてみるものの、名前も覚えてもらえない環境に働く意義を見出せないことに気づき、「私にしかできない事がしたい」という思いを強く抱くように。

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◆第3のターニングポイント

再就職したくて十数社面談、そして全滅。
保活と同時に就活を開始。ところが、保育園が決まっていないということで、次々とお断りメールが届く日々。最後の1社で断られたときには、社会で自分の価値を発揮できることができない、機会も得られない絶望感に周囲の音が何も聞こえなくなる感覚に陥る。
人材が欲しいというのに、採用しない会社。少し働き方を変えてくれさえすれば、優秀な方の力が生かされるはずなのに、多様な働き方が実現されず、人材を取りこぼす社会を肌で感じ、憤りと共に「子育てはキャリアだ!」という人生のミッションを得る。

再就活全滅後も諦めずに働く機会の確保に奔走した田中さん。3人目を考えていたので、産休育休がもらえる雇用保険に加入できることにしがみつき、通信制高校の講師を開始します。同時に個人事業主として、日本語教師・キャリアコンサルタントとして週2~3日働き始めました。

次第に個人事業のボリュームを上げて自分らしい仕事を実現したいとの思いが強くなり、3年間、種まきの時期へ。プロボノや安価の仕事でもなんでも引き受け、積極的に出会いをつくり、なんと3年間で会った人数は600人!
その中で現在田中さんが働く主軸となっている2つの法人の代表、NPO法人の理事長とHRラボの塚田代表と出会います。

・期待値を超える仕事
・即レスと密なコミュニケーション
・仕事を任せてもらえる感謝を伝える

を常に意識し、自分らしい働き方を少しずつ構築していった結果、長くしがみついていた「産休育休をもらいたい」気持ちを諦めてフリーランスで働くことを決意します。この時点で、個人事業、NPO、HRラボの3つの柱を持つことになりました。

◆第4のターニングポイント

理想のキャリアが現実に!
フルリモート、フルフレックス制でHRラボの社員になる。

3人目を授かり、体調をみながら仕事を続けていたところ、塚田代表から「HRラボの社員になりませんか?」とお話しが。

一緒に働く仲間には、大切にしたいものを大切にできる働き方をしてほしいという塚田代表の思い、田中さんの自分らしい働き方を実現したいという思いを重ね合わせ、人事制度に強いHRラボだからこそできる柔軟な対応、フルリモート、フルフレックス制度の導入、社会保険完備、をもって田中さんはHRラボの社員となりました。

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「育休産休を諦めてフリーになったけれど正社員になれた!」
「社会保険にも入れた!」
「収入の軸がしっかりできた!」

社員雇用が決まったときには、奇跡が起こった!と友人に連絡し、喜びをかみしめたそうです。

7年前、自分らしいキャリアの実現に取り組み始めたものの、再就職全滅、絶望で周囲の音が消えた中立ちすくんだところから、諦めずに行動しつづけた結果、当初は無謀にも思えた「家族との時間を大切にする」「社員となって社会貢献する」という自分らしい働き方を叶えることができたのです。

自分らしいキャリア達成度80%!

現在、田中さんの自分らしいキャリアの達成度は80%だそうです。

キャリアを他人に預けていない(キャリアオーナーシップがある)。
得意・強みを活かせている。
子どもとの時間を大切にできている。

田中さんが大切にする3軸が満たされてていることで高い満足度でキャリア構築ができているとのこと。

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「残り20%は?」
と塚田代表からの質問に

「これまでずっと自分を理解してくれた旦那さんが、自分でやりたいことをしだすときに、家計をひとりでも支えられるように収入アップがここからの目標20%です」

と田中さん。理想のキャリアの完成形が明文化されている田中さんなら、きっと100%までやり抜くのだろうと、参加した全員が確信しました。

自分らしいキャリアを実現する5つのポイント

子どもを迎え幸せである一方で、再就職全滅という絶望の局面にも立たされた田中さん。
「人生というキャリアを自分らしい形にしたい」
「子ども仕事も諦めたくない」
確固たる思いの中、7年という時間をかけ、模索しながらも着実に理想のキャリア実現のために動き続けました。理想が現実になっている今、田中さんが考える自分らしいキャリアを実現するためのポイントは次の5つです。

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1. ありたい姿を言語化する

7年前に書いた田中さんのなりたい姿。全部実現しています!

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具体的に言語化することで目標が明確になり、行動に落とし込みやすくなります。
スマホにメモするのでなく、紙に書くことで必要な情報にアンテナが立ち、実現率が高まると言われていますが、田中さんが見事に実証してくれています。

2. 人に語る機会を定期的に持つ

自分が何を、なぜ、どのようにしたいのかを人に語る機会を年に1~2回は持つようにしてきた田中さん。面接を受ける、仲間同士で語る、コミュニティで発表する、ビジネスコンテストや助成金申請時などの機会を利用して、しっかりと伝える言葉にする努力をすることが、意識を高め、行動につなげ、他力を動かすことになります。

3. 肯定的な応援者を傍に持つ

種まき期は経験をつむことが大事だと考え、無償で仕事をすることも多々。そんな時、ご主人はいつも側で応援し、時には「きみは価値あることをしているんだから、しっかりお金をもらいなさいよ」と田中さんの価値を認める言葉をかけてくれたそう。ひとりだと辛いときにやめたくなってしまうこともありますが、肯定してくれるパートナー、家族、仕事仲間いることで自己肯定感が支えられ、パワーの源となっていきます。

4.行動し続ける大切さ

行動はちょっとづつでも続けることが大切です。元気が出ないときにも本を読む、ポッドキャストを聞く、元気になったときに参加するイベントに予約するなど。そんなことでいいので、なりたい自分の一助になるようなことをみつけて、行動し続けたことが、出会いを呼び、理想の働き方実現につながります。

5.なぜ働くのか問い続ける

疲れたとき辛くなったときにこそ「なぜ私は働いているんだろう」と問いかけてほしいという田中さん。ご自身への問いかけへの答えは経験を活かして社会に貢献したいという思い。「助けてもらって今の自分があるからこそ、恩返し、恩送りしたい」第三者としてキャリアコンサルタントとしても、肯定的な応援者になりたいという思いが田中さんを突き動かしています。

田中さんが信念のもと、共感してくれる人と出会い、理想のキャリアを実現してきた道のりの中で考えるのは、雇用する側にとっても就労する側にとっても雇用形態が最善ではなく、関係性を大切にするようにしていきたいということ。

「この人と働きたいと雇用主が思ったのなら、そこには就労者との関係性がすでに存在しているはずです。その人がどういう生活しているのか、そんな疑問が自然と沸き起こってくるのではないでしょうか。子どもと一緒にいたいなら、それでできる形を模索していこう。そんなふうにワークとライフを切り分けず、混じりあう中で雇用主と就労者が共に働く形を作り上げる。そのような社会の在り方になることを強く願い、尽力していきます」

田中千尋が考えるパラレルワーカーに大切な4つのこと

1 テキストコミュニケーションの習得。電話ではなくテキストで報連相ができること。
2 オンラインリテラシーがあること。
3 レスポンスは早く。最低でも1日以内。5分以内でできるならする!
4 社会保障・税制度のリテラシーを上げる。

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働く個人のどうしたいかを出発点に、理想のキャリアが実現する働き方を、柔軟にしなやかに考える。仕組みがなければ創っていけばよい。HRラボでは、企業理念の実現をともに目指すことができる、田中さんがメンバーとなったことで、新しいキャリア構築への確かな一歩に、未来への希望を感じました。
今後も自社が事例企業であり続けることに加えて、企業に対して、働く個人に対して、引き続き多様な働き方を実現させるサポートをしていきます。