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企業における「従業員満足度」の重要性

定着

2019.04.30

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今の日本企業では、大幅な労働力人口の減少に備え、いかにして従業員に長く働いてもらうかが、企業存続において大きなポイントです。そのため各企業において、従業員のエンゲージメント向上への指標として『従業員満足度』が大切にされています。

『従業員満足度』を高いレベルで維持している企業の特徴から、企業が取り入れるべき観点を押さえていきましょう。

従業員満足度(ES)とは?

『従業員満足度』とは文字通り、従業員の満足度を表す指標です。Employee Satisfactionを略して、「ES」と呼びます。

このESに影響をする主なものでは、
 ・企業ビジョンへの共感
 ・企業の成長度合い
 ・自身の仕事の内容や、仕事が社会に与える影響度合い
 ・業務を行う仲間や取引先などとの関係性
 ・仕事場の環境
 ・報酬や福利厚生といった待遇面
などが考えられます。

このような項目において、 “定量的に数値化”したものが、『従業員満足度』となります。
これらすべてを押し上げることは非常に難しいのですが、数値化したものをもとに、どこに経営資源を投入すればよいかといった企業運営の判断材料として活用されています。

従業員満足度が上がるメリット

従業員満足度の向上は、企業へのエンゲージメント向上につながり、よりよく仕事をしようとするためのモチベーションにもつながります。

例えば
 ・従業員はやらされ仕事に感じず、全体として生産性が向上する。
 ・社外からの企業評判もよくなり、採用活動への好影響が期待できる。
 ・自社への愛着や帰属意識が増すことで、顧客への対応レベルを上がる。

このように従業員の満足が、企業の内外へと影響をします。従業員満足度の高まりは、顧客満足度(CS)にも影響するなど、長い目で見ても必要な企業存続には欠かせない指標なのです。

従業員満足度が高い企業と低い企業の特徴

では、「従業員満足」が高い企業と、低い企業ではどのような差があるのでしょうか。
満足度が高い企業の従業員には以下のような特徴があります。

◆仕事への当事者意識が強い

「仕事のやり方が受け身の従業員が多くて困る」などという声は、各企業からよく聞く言葉ですが、従業員満足度の高い企業の特徴として「当事者意識」が強いことが挙げられます。企業のビジョンや仕事内容への共感度も高いため、「自分ごと」として物事を考え、与えられた役割以上の業務を果たしてくれるでしょう。自分主体で働きたいという気持ちは、何にも代えられないモチベーションとなるのです。企業にとっては業績や生産性向上など好影響につながります。

◆企業理念が浸透している

企業活動において、従業員がどのような想いで業務にあたっているかは業績向上と大きな相関があります。その根底にあるのは企業理念の浸透です。社長だけではなく、従業員一人ひとりが同じような想いで取り組むことが大切なのです。
この浸透度合いこそが、従業員一人ひとりが担当業務に対して「何が足りていないか」「もっとできることはないか」といった振り返りにつながります。
また、このような従業員が増えると、社内への一体感が生まれ、意思疎通も図りやすくなります。よりスピーディーな判断もできるようになります。

◆職場内のコミュニケーションが活性化している

従業員満足度の高い企業では、職場内におけるコミュニケーションが活性化されていることも特徴です。従業員間の業務目的や達成目標の浸透もはやいため、お互いにカバーをしあって業務に取り組む意識が強くなります。
その結果、自然と業務の改善も行われるようになり、ミスや無駄の削減とつながるのです。

一方、従業員満足度が低いということが、すべて悪い状態というわけでもありません。実際は多くの企業で、日々何かしらの課題を抱えながら業務をおこなっています。しかし、従業員満足度がより高い組織のほうが、士気や生産性高く運営が行われていることも事実です。


では、従業員満足度が上がらない企業の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。

◆担当の範囲を超えて仕事をしない

自分の担当の仕事をおこなっていれば問題無いように思われますが、自分自身の業務の範囲にしか関心を持たないため、仕事をよりよくしていこうという意識や新たなアイディアを生むことに関心が薄まっています。
企業は発展のために常に新しい発想や動きが必要となります。そのため、この意識はマイナスに働くことが多いのです。

◆コミュニケーション不足による組織の疲弊

従業員満足度が下がっている場合、職場では仕事へのモチベーションも下がっている従業員が多い状態と思われます。職場全体にネガティブ思考が広まってしまうと「誰かに何かを言われることが嫌」「お互いに何を考えているかわからない」といった負の循環が生まれやすくなります。
その結果、従業員間のコミュニケーションが減り、活気のない状態となっていきます。

このような状態に陥らないために、企業は対策が必要となります。

従業員満足度を上げるために

従業員満足を上げるためには、まず職場の実態を正確に把握しなくてはなりません。従業員満足度調査を定期的におこなう必要があります。
従業員の不満は、職場環境なのか、待遇面なのか、組織の作り方なのかなど数値としても状況を把握していきます。

その上で、より詳しい実態を把握するための「ヒアリング」も大切な動きです。従業員満足度の改善に向けて、不満の度合いなどを直接つかむこともできますので、改善に向けた取り組みの優先度を決める手がかりとなるでしょう。

そして、従業員満足度を上げるためには、制度導入などで充実をはかることも大切ですが、日々の業務における改善は欠かすことができません。

 ・企業ビジョンの徹底的な共有
 ・目標の見える化
 ・メンバーと上長が本気で語り合えるコミュニケーション機会の創出
 ・多様なメンバーが働きやすい環境づくり

従業員の課題を明らかにし、必要な対策を行い、従業員満足度向上を目指して取り組んでいきましょう。必ず企業価値向上に寄与するはずです。