こんにちは、HRラボです。

近年、人材育成の手法として「1 on 1(ワンオンワン)ミーティング」という手法が世界的に注目を集めています。日本でも2012年にヤフーで取り入れられたことが話題となり、多くの企業で導入が進んでいます。皆さまの会社でも導入されているところが多いのではないでしょうか。

しかし、実態をお伺いすると、1 on 1ミーティングを実施する上司が正しい知識や進め方を理解せずに実施しており、部下がミーティングの意義を感じておらず戸惑っているという声をよく聞きます。

そこで、今回は「1 on 1ミーティング」が求められる背景から、有効に活用するための準備や進め方、人材育成への影響についてお伝えします。

 

1on1ミーティングとは?

1 on 1ミーティング(以下、1on1)とは、上司と部下が1対1で定期的に行う面談のことを言います。

これまで上司と部下の1対1のコミュニケーションといえば、目標管理制度(MBO)や評価面談など、目標や評価に関わる面談が主流でした。

それ以外で上司と部下が1対1で話す機会というと、チーム全体では伝えづらい指摘事項を個別に伝える場合など、あまり良い印象を持たない方が多いかもしれません。それは、これまでの上司と部下の関係性が「上から一方的に指示・指摘をする関係」であったからだと思います。

「1on1」では、上司が部下の目標を管理したり、評価をしたり、一方的に指摘をするものではありません。上司が部下の話を聞いて適切なフィードバックをすることで、相手の能力を引き出し、成長を促進することを目的としています。

 

1 on 1ミーティングが求められる背景

ここで「1on1」が求められる背景について、少し触れたいと思います。

昨今のITの進化やグローバル化の進展などにより、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況は常に変化しています。このような状況を総称して「VUCA」時代と言われています。

VUCAとは、4つの単語の頭文字からつくられた、これからの時代を表わす重要なキーワードです。押さえておきましょう。

「Volatility」(変動性)
「Uncertainty」(不確実性)
「Complexity」(複雑性)
「Ambiguity」(曖昧性)

VUCA時代は、先がどうなるか予測不可能な状況のため、考慮すべき事柄、選択肢が非常に多く、上司の経験だけでは判断できないことが多くなっています。

そのため、上司から部下への一方的な指示やコミュニケーションではなく、上司と部下で「対話」をしながら、組織としての成長を目指していく必要があります。

また、若手のミレニアル世代は「厳しい環境で一方的に指示だけを受けること」や「自分のことを否定されること」への耐性が弱い傾向にあります。多くの人は、短所よりも長所を伸ばせる環境で働きたいという価値観に変化してきおり、ここでも「対話」が重要となります。

これからの時代(VUCA時代)に求められる上司とは、対話から相手の強みとやる気を引き出し、次のステップに導くことができる存在と言えるでしょう。このような上司が率いる組織は、部下全員が活き活きと働き、結果として継続的な右上がりの成長を遂げていきます。

組織が成長するためのキーとなる「対話」を深めていくための方法として注目されているのが「1on1」なのです。

 

「1 on 1ミーティング」の効果的な進め方

では、どのように1on1を進めればうまいくのでしょうか。

昨今、多くの企業で取り入れられている「1on1」ですが、実際の現場では、上司は部下を1対1で指導する時間だと捉えていたり、部下は上司に業務報告をする時間だと捉えていたりすることが多いようです。そのため、指導することや報告事項がなければ1on1を実施せず、体裁だけで終わってしまっている企業もあるようです。

これは非常にもったいないことです。1on1を正しく理解し、実施することができれば、部下のやる気を引き出すことができます。そして対話により上司も新たな気付きを得ることができます。

では、どのようにすればやる気につなげる1on1になるのでしょうか。それには、上司、部下ともにしっかりと準備をして進めていく必要があります。1on1を効果的に行う4つのステップについてご紹介します。

① 目的を伝える

上司と1対1で話すとなると、それだけで構えてしまう部下もいるでしょう。これでは部下の本音は引き出せません。そのため、どのような目的で1on1を実施するのかを伝え、安心して話してもらえる環境づくりを行う必要があります。上司は、部下の成長を促すために1on1を実施するという目的をあらかじめ伝えておきましょう。また、人事評価には直接影響しないことも伝え、部下の悩みや課題を率直に話してもらえるような雰囲気づくりをしましょう。

② 日時を決める

1on1の実施は頻度が重要です。間隔が空いてしまうと、「直近で困っている課題に対してのフィードバックができない」「前回話した内容を忘れてしまう」といったことになりかねません。できれば週1回が理想的ですが、週1回の実施は上司、部下にとっても負担が大きいので、最低でも月1回を目安に実施してみると良いでしょう。

実施する曜日は、業務の真ん中となる水曜日・木曜日がお勧めです。業務の真ん中は、話す内容が豊富に出てくること、フィードバックされたことを部下がすぐに実行しやすいからです。

③ テーマ・アジェンダを明確にする

次に、「当日は何について話すのか」、ある程度のテーマ・アジェンダを明確にすると、上司も部下も対話をしやすくなります。上司は部下の状況に応じて、適切なアジェンダを設定しましょう。

(例)業務歴が浅い新人向けのアジェンダ

・業務を進める中で何か困っていることはないか(周囲には相談しづらいこと等)
・業務を通して得た気づきや学び、やりがいを感じたこと
・次にチャレンジしてみたいこと

(例)スキルレベルが高い部下向けのアジェンダ

・直近で最も力をいれた業務
・課題や困っていることで上司が手伝えることがあるか
・今後取り組みたいテーマ、キャリアの方向性

部下は事前に設定されたアジェンダに対し、話せるように準備をしておくと、1on1の効率が上がり、より有意義な時間になるでしょう。

④ 1on1ミーティングを実施する

1on1を成功させるためには、部下に本音で話してもらう必要があります。上司は部下の話をしっかりと傾聴した上で、適切なフィードバックを与え、今後に向けたヒントを自分自身で見つけてもらうように導きましょう。

1on1を実施した際には、「部下と何を話したのか」「どういうフィードバックを与えたか」「どのように成長したか」などを記録しておきましょう。記録があると、次回の1on1も有意義なものにすることができます。

 

 

キャリア視点からの「1 on 1ミーティング」の有用性

1on1は、上司と部下で「対話」をしながら、組織の成長を促進する人材育成の手段の一つですが、キャリア開発の視点でも有効です。

1on1によって、部下は普段行っている業務をただの作業として捉えるのではなく、業務を経験として振り返り、そこから学びを得ることができます。1on1は部下の経験学習のサイクルを促進する効果が期待できるのです。

経験学習を促進することで、部下は自分は何が得意なのか、どんな仕事にやりがいを感じるのか、自らの才能に気付いていきます。

上司は対話によって、部下の強みをあらためて理解し、「どのようなキャリアが適しているか」「どのような役職・職種での活躍が今後期待できるか」のフィードバックを伝えることができます。それにより、部下の中長期的なキャリア開発を促進することができ、適切な人材配置にもつなげることができます。

 

いかがでしょうか。

1on1ミーティングの目的、準備や進め方を正しく理解し実施することができれば、キャリア面談として非常に有効な場となります。1on1を効果的に実施し、働く1人1人のやる気を引き出し、組織としての成長を目指していきましょう。

 

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